バウンドネック&ブロックポジションマークの1966年製ジャズマスタ―。
ギブソンに対抗したソリッドボディのジャズギターとして1958年にフェンダー社から発売され、くびれの位置が左右非対称となるオフセットウエスト・ボディシェイプに、P-90を意識したそれまでのテレキャスターやストラトキャスターよりも大きいオリジナル・シングル・ピックアップ、ギブソンABR-1ブリッジを進化させたような各弦だけではなく1弦側、6弦側の弦高調整が可能なブリッジ、そしてフェンダー社では初となるローズウッド指板とピックアップの並列ミックスポジションが使用できる3点トグルスイッチ、フロントピックアップの任意のボリューム&トーンをセットしスライドスイッチで呼び出せるプリセットトーン、新型トレモロユニットとジャズスタイルを前面に打ち出したスタイルを持ち、その後フェンダー社の意に反してサーミュージックやオルタナ系等様々なジャンルで愛用されテレキャスター、ストラトキャスターに次ぐフェンダーを代表するモデルとして絶大なる人気を博しています。
発売当初はドットポジションマークのスラブボードネックにゴールド・アノダイズド・ピックガードのスペックを持ちますが、その後細かくアップデートを行っていき、本機はトランジションロゴ、セルバインディングがネックに施された通称"バウンドネック"に1966年頃からとなるブロックポジションマーク、べっ甲柄ピックガードにアンプタイプのウィッチハットノブ、1964年後期以降から変更となるグレイボビンのピックアップが使用された美しい3トーンサンバーストが目を引く1966年製となります。
ナット幅は約41.7mmと標準値よりも僅かに狭いため握り込んだ際のローポジションのフィット感は良く、12フレット付近でも厚すぎないすっきりとしたネックシェイプですが、バインディングにより実寸よりもしっかりとしたグリップ感のあるネックと言えます。
この時期のもう一つの特徴と言える厚みのあるヘッドストックと、グレイボビンピックアップによりプリCBS期モデルと比べて柔らかさがあり、コードストローク時の僅かに暴れるニュアンスと低音から高音までバランスの良さからストローク主体のリズムギターではテレキャスターやストラトキャスターでは出せない個性があり、オルタナ系からシューゲイザー系ギタリストからも人気が高く、さらにザ・ベンチャーズのオリジナルメンバーでリズムギター担当のドン・ウィルソンは1967年製ジャズマスターの愛用で知られサーフロック系との相性も良いモデルです。
全体的にコンディションはとても良く、ナットは交換されていますが元のオリジナルナットはケース内に保管されており、ブリッジサドルイモネジ一部の交換以外では主要パーツの交換はなく、フレットは残り6割程度でフレット・エッジ・バインディングも綺麗に残った貴重な個体。
また、全体的に傷や打痕、ウェザーチェックは見られ、その中でも気になる点としてはヘッドストック裏のステッカー跡、指板5フレット1弦側バインディング部&14フレット1弦側指板の打痕、ネック裏は使用による塗装剥げが見られますがボディ・トップコートの光沢はしっかりと残っており、あまり木目の透けない明るめのイエローカラーと色味のしっかりとしたこの時期特有のサンバーストカラーを綺麗に残したコンディション、サウンドともにおすすめの1本です。
シリアルナンバー:176173
重量:3.99kg
ネックデイト:13DEC66B
ポットデイト:1376518(Vol) 3046612(Tone)
ピックアップ:Original Jazzmaster Pickups
ピックアップデイト:11-14-66・7(Neck) 10-28-66・MV(Bridge)
ピックアップ直流抵抗値:フロント:7.94kΩ リア:7.55kΩ
ネック幅:ナット:41.71mm 5フレット:46.54mm 12フレット:51.43mm
ネック厚:1フレット:21.77mm 5フレット:22.80mm 12フレット:23.8mm
付属品:オリジナルハードケース、、トレモロアーム、オリジナルナット
セットアップ時使用弦:D'Addario EXL-110 (0.010-0.046)
中古保証:1年