極上のファットトーンを奏でる貴重なオリジナルピックアップ搭載の1955年製Champion。
フェンダー社の前身となるドク・カウフマンとレオ・フェンダーの共同経営会社、K&F時代から生産されていたラップスティールはレオ・フェンダーが手掛けた初のエレクトリック・ソリッドボディ・ギターとなり、1946年にドク・カウフマンが去ることによって会社を分割しますがFENDER社となった後も改良を続け、1949年頃に誕生したのがスチューデントモデルのChampionとなります。
K&F時代からとなるクロームメッキのヘッドプレート&ナット、片側3連タイプのペグ、パーロイドタイプのボディフィニッシュに、最大の特徴となる新たに開発した各弦ごとに対応した6個のマグネットポールピースを使用した新型ピックアップを採用したことにより、当時流行していたハワイアン・ラップスティール奏法が理想としていた各弦の響きがクリアーかつブライトなトーンを作り出しています。
また、同時期に開発されていたエスクワイア/ブロードキャスターでも同タイプのピックアップが採用され、ブリッジプレートやブリッジカバー、コントロールプレートとコントロールノブ等その後のプレシジョンベースを含めたソリッドボディギター&ベースの基となるデザインを多く含んだモデルと言えます。
このChampionを語る上で欠かせない重要な点としてロックギターのアイコンの一つと言えるキースリチャーズの"ミカウバー"はブリッジピックアップを1950年代前半チャンピオン・ラップスティールから移植していることから同様の改造が世界中で行われており、それによりオリジナルピックアップやポット、コンデンサーは外され、別のピックアップやパーツに交換された個体が非常に多く、オリジナルのピックアップ、アッセンブリーの状態をキープした個体はかなり希少となってきています。
こちらの個体は1955年中期頃にモデル名を"Champ"へと変え、大幅に仕様変更される前となる最終年の1955年製となり、テレキャスターと同様1954年以降の特徴と言えるプラスタイプのスクリューにASTRONコンデンサー、ハンダによりデイトは確認できませんがオリジナルのStackpole社製ポットを使用し、ペグはオリジナルですがシュリンクしやすいペグボタンのみリプレイスされ、アウトジャックは交換されていますが、ピックアップ、ポット、コンデンサー、ツマミ以外のペグとサウンドへの影響が大きい部分のパーツはオリジナルを保ち、最低限の消耗パーツのみ交換されたプレイヤーにもおすすめの1本です。
ボディ裏の塗装剥げ部分からはテレキャスターと同じくアッシュ材が確認でき、レオ・フェンダーが好んだブライトで澄んだトーンを持ちながら中低域にもパワーがある個体のため、カントリーやハワイアンスタイルだけでなく、ロック系でのクランチサウンドでも厚みのあるヴィンテージトーンを堪能でき、1弦脇サイド部にはパーロイドフィニッシュの剥がれが見られますが、全体的には良い状態をキープしおており、オリジナリティとプレイヤビリティ両面で満足いただけるフェンダーのヴィンテージ・ラップスティールです。
シリアルナンバー:8417
重量:2.02kg
ピックアップ:Original Champion Pickup
ピックアップ直流抵抗値:6.14kΩ
付属品:オリジナルツイードケース
セットアップ時使用弦:La Bella H6C61532 (C6 Tuning 0.015-0.032)
中古保証:1年