フェンダー・ラップスティールのスチューデントモデルとなる貴重なオリジナルピックアップ搭載の1954年製Champion。
フェンダー社の前身となるドク・カウフマンとレオ・フェンダーの共同経営会社、K&F時代から生産されていたラップスティールはレオ・フェンダーが手掛けた初のエレクトリック・ソリッドボディ・ギターとなり、1946年にドク・カウフマンが去ることによって会社を分割しますがFENDER社となった後も改良を続け、1949年頃に誕生したのがスチューデントモデルのChampionとなります。
K&F時代からとなるクロームメッキのヘッドプレート&ナット、片側3連タイプのペグ、パーロイドタイプのボディフィニッシュに、最大の特徴となる新たに開発した各弦ごとに対応した6個のマグネットポールピースを使用した新型ピックアップを採用したことにより、当時流行していたハワイアン・ラップスティール奏法が理想としていた各弦の響きがクリアーかつブライトなトーンを作り出しています。
また、同時期に開発されていたエスクワイア/ブロードキャスターでも同タイプのピックアップが採用され、ブリッジプレートやブリッジカバー、コントロールプレートとコントロールノブ等その後のプレシジョンベースを含めたソリッドボディギター&ベースの基となるデザインを多く含んだモデルと言えます。
このChampionを語る上で欠かせない重要な点としてロックギターのアイコンの一つと言えるキースリチャーズの"ミカウバー"はブリッジピックアップを本機と同仕様の1950年代前半チャンピオン・ラップスティールから移植していることから同様の改造が世界中で行われており、それによりオリジナルピックアップやポット、コンデンサーは外され、別のピックアップやパーツに交換された個体が非常に多く、オリジナルのピックアップ、アッセンブリーの状態をキープした個体はかなり希少となってきています。
こちらの個体はテレキャスター同様各部にプラススクリューが使用された1954年製となり、ヴォリュームのポットデイトは「3044XX」とハンダで見える範囲が限られますが1954年となり、トーンポットはハンダでほとんどデイトを確認できませんがボリュームポットと同タイプ、コンデンサーもASTRONのオリジナルとなり、アウトプットジャックのみ交換されている非常にオリジナル度の高い1本です。
ペグは”NO LINE"の片側3連タイプのオリジナル・クルーソンですが、6弦ペグポストの先端部に欠けが見られ、ペグボタンはシュリンクと呼ばれる樹脂素材の縮みが顕著でいつ割れてもおかしくない状態となっていますが、オリジナル度を重視し現状販売とさせていただいていますが、ペグ交換及びペグボタン部分のみの交換も保証対象となっております。
サウンドはレオ・フェンダーが好んだブライトで澄んだトーンが心地良く、ハワイアンチューニングでコードを弾くだけでまさにそのサウンドを味わうことができます。
さらにこのピックアップによりエレキギタープレイヤーからも親しみやすい音色と言え、当時のスチューデントモデルながら深みのあるヴィンテージトーンを十分に堪能でき、ヴィンテージギター好きな方のラップスティール入門機としてはもちろん、ハワイアン、カントリースタイルだけではなくロック系でもレコーディングやライブで使えるフェンダーのヴィンテージ・ラップスティールです。
シリアルナンバー:6179
重量:1.84kg
ピックアップ:Original Champion Pickup
ピックアップ直流抵抗値:5.84kΩ
付属品:オリジナルツイードケース
セットアップ時使用弦:La Bella H6C61532 (C6 Tuning 0.015-0.032)
中古保証:1年